WordPress制作は安く済む?相場からみるコスパ最強の選び方
はじめに
本記事の目的と想定読者
本記事は、WordPressを使ったWebサイト制作を検討しているものの、費用相場や制作方法に不安を感じている方を対象としています。特に、個人事業主や中小企業の担当者、IT初心者の方々が、コストパフォーマンスを最大化しつつ、目的に合ったWordPressサイトを構築するための情報提供を目的としています。自作から外注まで、様々な選択肢とその費用、さらに費用以外で比較すべき重要なポイントを網羅的に解説します。
WordPressで作れるサイトの規模・種類
WordPressは、その柔軟性と拡張性の高さから、多様な規模や種類のWebサイトに対応可能です。
- 小規模な個人ブログ・ポートフォリオサイト
- 中小企業向けコーポレートサイト
- 大規模な企業サイト、ポータルサイト
- ECサイト(オンラインストア)
これらのサイトは、WordPressの「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートや、「プラグイン」と呼ばれる機能拡張ツールを活用することで、専門知識がなくても比較的容易に作成・運用できます。
WordPress制作の料金相場
WordPress制作にかかる費用は、サイトの規模や機能、制作方法によって大きく異なります。WordPress自体は無料で利用できるオープンソースソフトウェアですが、サイトを公開・運用するためには別途費用が必要です。
小規模な個人ブログの場合
個人ブログやシンプルなポートフォリオサイトの場合、費用を大幅に抑えることが可能です。
- 自作の場合: 年間6,000円〜30,000円程度。これは主にレンタルサーバー代とドメイン代、必要に応じて有料テーマや有料プラグインの費用が含まれます。無料テーマや無料プラグインを活用すれば、さらにコストを抑えられます。
- フリーランスへの依頼の場合: 5万円〜30万円程度。WordPressのインストールや基本設定のみであれば5万円〜10万円、デザインのカスタムやページ制作を含む場合は30万円程度が相場です。
中小企業向けコーポレートサイトの場合
中小企業向けのコーポレートサイトは、ブランドイメージや集客力を意識したデザインや機能が求められるため、小規模サイトよりも費用が高くなります。
- 自作の場合: 有料テーマやプラグインを導入すると、初年度は2万円〜5万円程度が目安です。
- 制作会社への外注の場合: 30万円〜300万円程度。10ページ前後のシンプルなサイトで30万円〜50万円、20ページ前後でオリジナルデザインや充実したコンテンツを持つサイトでは50万円〜300万円が相場です。この規模では、SEO対策や集客・コンバージョンを意識した設計も含まれることがあります。
大規模サイト・ECサイトの場合
大規模な企業サイトや、会員機能・決済機能などを備えたECサイト(オンラインストア)の場合、高度なカスタマイズやシステム連携が必要となるため、費用は大幅に増加します。
- 制作会社への外注の場合: 300万円以上が相場です。EC機能の強化(WooCommerce拡張など)には5,000円〜50,000円以上の有料プラグイン費用が年間でかかることもあります。また、フルカスタム開発や外部システム連携が必要な場合は、1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
WordPress制作方法別の費用比較
WordPressサイトの制作には、いくつかの方法があり、それぞれ費用が大きく異なります。
自作(自力)の場合
自分でWordPressサイトを制作する場合、最もコストを抑えられます。
- 必須費用:
- レンタルサーバー代: 年間5,000円〜2万円(月額約500円〜1,500円)。
- ドメイン代: 年間数百円〜数千円(月額約100円〜300円)。多くのレンタルサーバーでは、契約時にドメイン無料キャンペーンを提供しています。
- SSL費用: ほとんどのレンタルサーバーで無料SSLが提供されており、基本的に無料です。
- 任意費用:
- 有料テーマ: 買い切りで5,000円〜2万円程度。
- 有料プラグイン: 数千円〜(買い切りや月額課金制など様々)。
- 合計: 年間6,000円〜30,000円程度の運用費に加えて、学習コスト(書籍購入やスクール費用など)がかかる場合があります。
フリーランスへの依頼の場合
フリーランスのWebデザイナーやエンジニアに依頼する場合、制作会社よりも費用を抑えられる傾向があります。
- 費用相場: 5万円〜30万円程度。WordPressのインストールや初期設定のみであれば5万円〜10万円、デザインのカスタムやページ制作を含む場合は30万円程度が目安です。
- メリット: 制作会社に比べて費用が安い。
- デメリット: 音信不通のリスクや、クオリティが依頼するフリーランスのスキルに依存するため、期待通りの仕上がりにならない可能性もあります。
Web制作会社への外注の場合
Web制作会社に依頼する場合、プロによる高品質なサイト制作が期待できますが、費用は高くなります。
- 費用相場: 30万円〜300万円以上。
- 小規模サイト(テンプレート使用、ページ数少): 30万円〜50万円。
- 中規模サイト(オリジナルデザイン、ページ数中): 50万円〜300万円。
- 大規模サイト(オリジナルデザイン、ページ数多): 300万円以上。
- 費用の内訳: 初期設定費、ディレクション費、要件定義・設計費、デザイン費、コーディング費、カスタマイズ(機能実装)費、運用保守費などが含まれます。
- メリット: 高品質なサイト、専門家によるSEO対策やマーケティング視点での提案、充実したサポート体制、トラブル時の迅速な対応。
- デメリット: 費用が高額になる傾向がある。
クラウドソーシング活用時のケース
クラウドソーシングサイト(LancersやCrowdWorksなど)を活用してフリーランスに依頼する場合も、費用を抑える一つの方法です。
- 費用相場: フリーランスへの依頼と同様、数万円から30万円程度が目安です。
- メリット: 複数のフリーランスから提案を受けられ、比較検討しやすい。
- デメリット: 制作会社と同様、クオリティやコミュニケーションに個人差があるため、実績や評価をよく確認する必要があります。
費用以外で比較するポイント
WordPressサイト制作においては、費用だけでなく、その他の重要な要素も比較検討することで、長期的なコストパフォーマンスを高めることができます。
制作時間と手間
- 自作: 時間と手間は最もかかります。学習コストも必要ですが、その分Web制作のノウハウが身につきます。
- 外注(フリーランス・制作会社): 専門家に任せることで、自社のリソースを他の業務に集中させることができます。納期も明確になるため、スケジュール管理がしやすくなります。
必要な専門知識
- 自作: WordPressの基本的な操作、サーバー・ドメインの知識、HTML/CSSの基礎知識(カスタマイズする場合)など、一定のITリテラシーが必要です。
- 外注: 依頼側はWeb制作に関する深い知識は不要ですが、サイトの目的や要望を明確に伝えるための準備は必要です。
運用・保守・サポート体制
- 自作: すべて自分で対応する必要があります。WordPress本体やプラグインのアップデート、セキュリティ対策、トラブル対応なども自己責任となります。
- 外注(フリーランス・制作会社): 制作後の保守・運用サポートを依頼できます。制作会社によっては、定期的なアップデート、セキュリティ対策、バックアップ、トラブル対応、さらにはコンテンツ更新代行やSEOコンサルティングまで提供するプランもあります。サポートが手厚いほど費用は高くなりますが、安心してサイトを運営できます。
カスタマイズの柔軟性と品質
- 自作: 無料テーマやプラグインでもデザインの自由度はありますが、より独自性の高いデザインや複雑な機能を実現するには限界があります。
- 外注(フリーランス・制作会社): オリジナルデザインの制作や、高度な機能実装、外部システムとの連携など、柔軟なカスタマイズが可能です。特に実績豊富な制作会社であれば、プロのデザイナーやエンジニアによる高品質なサイトが期待できます。
コストパフォーマンスを高める具体的な方法
WordPress制作のコストパフォーマンスを高めるためには、いくつかの具体的な方法があります。
契約前に相見積りを取る
複数の制作会社やフリーランスから見積もりを取る「相見積もり」は、費用を抑える上で非常に有効です。
- 少なくとも3社以上に見積もりを依頼することで、費用相場を把握し、サービス内容を比較できます。
- 同一内容でも業者によって数十万円の差が出ることがあります。
- 交渉力アップにもつながり、より良い条件を引き出せる可能性があります。
無料テーマ・プラグインの活用
WordPressには、無料でありながら高品質なテーマやプラグインが豊富に用意されています。
- まずは無料テーマやプラグインでサイトを構築し、必要に応じて有料版への切り替えを検討するステップアップ方式がおすすめです。
- ただし、無料のものは機能やデザインのカスタマイズ範囲に限界がある場合や、サポートが限定的な場合があるため注意が必要です。
写真やテキストなど素材の自社用意
Webサイトに掲載する写真やテキストなどの素材を自社で用意することで、制作費用を削減できます。
- 制作会社に素材作成を依頼すると、ライティング費や撮影費などが別途発生します。
- 社内資料やパンフレットの文章を転用したり、既存の写真を活用したりすることで、数万円〜数十万円のコストカットが可能です。
- ただし、プロのクオリティを求める場合は、費用をかけてでも依頼を検討する方が良い場合もあります。
補助金・助成金の利用
国や地方自治体が提供する補助金や助成金を活用することで、Webサイト制作費用の一部を賄える場合があります。
- 「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」「事業再構築補助金」など、Webサイト制作に使えるものがいくつかあります。
- J-Net21などの情報を定期的にチェックし、自社が利用できる補助金・助成金がないか確認しましょう。
サーバーやドメインの節約術
WordPressサイトの運用には、サーバー代とドメイン代が継続的に発生します。これらの費用を抑える工夫も重要です。
- レンタルサーバー:
- 長期契約割引やキャンペーンを利用する(例:ConoHa WINGやエックスサーバーなど)。
- 性能と価格のバランスが良いプランを選ぶ。あまりに安価なプランは、表示速度やセキュリティ面で問題が生じる可能性もあります。
- ドメイン:
- レンタルサーバー契約時に提供される「独自ドメイン永久無料キャンペーン」などを活用する。
- ドメインの種類によって費用が異なるため、安価なものを選ぶ(信頼性を考慮しつつ)。
- 無料SSLが付属しているレンタルサーバーを選ぶことで、SSL化費用を抑えられます。
依頼先と選び方のポイント
WordPressサイト制作の依頼先は、フリーランスとWeb制作会社に大別されます。どちらを選ぶべきか、失敗しないためのチェックリストと目的別のおすすめ発注先を紹介します。
フリーランスと制作会社どちらに頼むべきか
- フリーランスがおすすめのケース:
- 予算を抑えたい場合(5万円〜30万円程度)。
- 小規模なサイトや、シンプルな機能のサイトを制作したい場合。
- 発注側にWeb制作に関するある程度の知識やディレクション経験がある場合。
- 特定のデザイナーやエンジニアのスキル・実績に魅力を感じる場合。
- Web制作会社がおすすめのケース:
- 高品質なデザインや高度な機能を求める場合(30万円〜300万円以上)。
- 大規模サイトやECサイト、システム連携が必要なサイトの場合。
- 制作後の運用・保守・セキュリティ対策まで含めて一貫したサポートを求める場合。
- 複数人体制でプロジェクトを進行したい場合や、安定したサポート体制を重視する場合。
- WebマーケティングやSEO対策まで含めた戦略的なサイト構築を希望する場合。
失敗しない業者選びのチェックリスト
- 過去の制作実績の確認: 制作したいサイトの種類や業種に合った実績があるか、デザインのテイスト、UI/UXの質などを確認しましょう。
- 提案内容の明確さ: 単なるデザインだけでなく、サイトの目的達成に向けた具体的なマーケティング視点での提案があるか。見積もりの内訳が明確かどうかも重要です。
- SEOや保守対応の有無: リリース後の運用を見据え、SEO対策の知見や、WordPress本体・プラグインのアップデート、セキュリティ対策、バックアップなどの保守サポート体制が充実しているかを確認します。
- コミュニケーションと相性: 窓口となる担当者との相性は重要です。ヒアリング力、レスポンスの速さ、提案の積極性などを確認しましょう。
- CMSの運用のしやすさ: サイト公開後に自社で更新作業を行う場合、WordPressの管理画面の使いやすさや、カスタム投稿タイプなどの実装方法について確認しましょう。
規模・目的別おすすめ発注先
- リード獲得/SEOに強いサイトを目指す場合:
- Webマーケティング支援に強い制作会社がおすすめです。SEOの知見が豊富で、公開後の集客や改善までをサポートしてくれる会社を選びましょう。
- 例: 株式会社Cone(c-web)、株式会社シロクロ、株式会社ジオコードなど。
- ブランド/デザイン重視のサイトを目指す場合:
- 企業や商品の世界観を理解し、それをデザインに落とし込める制作会社が適しています。高品質なクリエイティブ制作(写真・動画撮影、ロゴ・イラスト制作など)まで一貫して依頼できる会社が理想です。
- 例: ラインドットデザイン、株式会社モノクス、株式会社イッパイアッテナ、株式会社スピカデザインなど。
- システム開発(大規模・多機能)が必要なサイトを目指す場合:
- 高度なシステム開発・設計力を持つ制作会社が不可欠です。会員登録機能、予約システム、決済機能、API連携など、複雑な機能に対応できる実績と開発体制を持つ会社を選びましょう。費用は高額になりますが、本格的な開発と長期的なサポートが期待できます。
- 例: 株式会社ベイジ、株式会社GIG、wp.make、株式会社ピクセル・アンド・ペーパー、Grow Group 株式会社など。
まとめ
コスパで選ぶWordPress制作の最適解
WordPress制作は、サイトの規模や目的に応じて最適な方法を選ぶことで、コストパフォーマンスを最大化できます。単純な費用だけでなく、制作時間、専門知識、運用・保守、カスタマイズ性、品質といった多角的な視点から検討することが重要です。
- 小規模な個人ブログや、とにかく費用を抑えたい場合は「自作」が最も安価。年間1万円以下での運用も可能です。
- 費用を抑えつつ、ある程度のデザイン性や機能性を求める場合は「フリーランス」への依頼。5万円〜30万円程度で実現できます。
- 高品質なデザイン、複雑な機能、戦略的な集客、充実したサポートを求める場合は「Web制作会社」への外注。30万円〜300万円以上と費用は高くなりますが、長期的なビジネス成果に繋がりやすいでしょう。
各制作方法と費用の比較表
制作方法費用相場(目安)主な特徴メリットデメリット自作(自力)年間6,000円〜30,000円サーバー・ドメイン・テーマ・プラグインを自分で手配最も安価、ノウハウが蓄積される時間と手間がかかる、専門知識が必要、トラブル対応が自己責任フリーランス5万円〜30万円個人に依頼、主に小規模〜中規模サイト制作会社より安価、柔軟な対応クオリティにばらつき、サポート体制が不安定な場合も、音信不通のリスクWeb制作会社30万円〜300万円以上プロジェクトチームで制作、規模に応じた開発高品質なサイト、専門的な知見、充実したサポート、SEO/マーケティング支援費用が高額になる傾向がある
この記事の活用方法
本記事で解説した費用相場や比較ポイントを参考に、自社の予算、目的、求める品質、リソースなどを考慮し、最適なWordPress制作方法を選んでください。複数の選択肢を比較検討し、納得のいく形でWebサイトを構築することで、ビジネスの成長に繋がるWordPressサイトが実現できるでしょう。
